長期的な不況により、就職活動がうまくいかなかったり、勤めていた会社が倒産したりといった理由から、定職につけない若者が増加しています。親としては社会保険だけでも手助けしてやりたいところですよね。
結論から申しますと、条件を満たせば、成人した子どもを健康保険の扶養に入れることは可能です。
今回は社会保険のうち「健康保険」と「厚生年金」について、扶養に入れる条件や、入れられない場合の別案を紹介いたします。
健康保険
一定条件下で扶養に入れられます。
以下に基本的な条件を掲載していますが、健康保険組合により条件が若干異なりますのでご注意ください。
<子どもと同居している場合>
・あなたが子どもの生計を維持している
・子どもの年間収入が、130万円未満(19〜23歳未満は150万円未満)かつ、あなたの年間収入の1/2未満
<子どもと同居していないない場合>
・あなたが子どもの生計を維持している
・子どもの年間収入が、130万円未満(19〜23歳未満は150万円未満)かつ、あなたからの援助額未満
例)
- 就職活動中の別居している子ども
- 大学院に進学した子ども
- 留学準備中の子ども など
厚生年金
子どもは扶養に入れられません。
厚生年金の扶養に入れるのは、条件を満たした会社員などの配偶者(第3号被保険者)のみ。子どもは適用外です。
厚生年金の代わりになる制度
子どもを親の厚生年金の被扶養者にすることはできません。
ですから、他の制度を利用して、子どもの将来を安定させましょう。
国民年金
20歳以上60歳未満の人はすべて加入しなければならないとされている公的年金制度です。将来、年金が受け取れるだけでなく、障害を負った場合や死亡した場合にも手厚い保障が受けられます。
公的年金制度の1階部分であり、厚生年金よりも受け取れる老齢年金は少なくなります。
そこで、次に紹介する付加年金やiDeCoなどを併用し、老後の不安を取り除いてあげましょう。
付加年金
国民年金に上乗せできる年金です。
付加年金保険料を月額400円上乗せすることで、将来受け取れる老齢年金を増やせます。
手続き先:管轄の年金事務所や自治体窓口
iDeCo
60歳以降に年金を受け取ることができる私的年金制度の1つです。
他との違いは公的機関が運営母体であること、掛金の全額を所得控除できること。
子どもの名前でiDeCoに申し込み、その掛け金を親が支払うことは、事実上可能です。
ポイントは、子どもの口座から払い込むこと。
子どもの名前でiDeCoに申し込んだなら、子ども名義の口座からしか掛け金を支払えません。
そのため、親が子どものiDeCoの掛け金を支払うなら、親から子どもの口座へ一旦お金を振り込む必要があります。
経営者が子どもを自社の役員や社員にする
親が経営者の場合、子どもを役員や社員として採用することで、社会保険に加入させられます。
子どもに仕事と居場所を与えられますし、健康保険だけでなく厚生年金にも加入させられます。安心して子どもを見守れますよ。
個人事業主も、条件を満たせば子どもを社会保険に加入させられます。事業内容や事業規模などによって異なりますので、詳細は税理士や社会保険労務士などにお尋ねください。
注意したいのは、子どもが実際に会社で働かなければ税務調査で否認されるリスクがあることです。
勤務実態のない人に支払われた役員報酬や給与などは、原則として経費として認められないためです。
まとめ
成人した子どもは、健康保険の扶養には入れられますが、厚生年金の扶養には入れられません。
健康保険の扶養に入れる場合は、あなたが加入している健康保険組合の扶養の範囲を確認してください。条件を満たしているなら、扶養の手続きを進められます。
厚生年金の扶養にはできませんので、公的年金1階部分である国民年金の保険料を支払ってあげましょう。その上で不足分を計算し、付加年金やiDeCoなどで補ってください。
参考サイト
日本年金機構
厚生労働省

iDeCo公式サイト
全国健康保険協会


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